sankakuichi's blog

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コンサルタントとエンジニア - トップダウンとボトムアップの考え方の違い -③

IT業界は、私が考えるにまだ未成熟な業界だ。 まだ、顧客開拓の余地がある、潜在的な市場があるということでなく IT構築を行う方法論、そしてそれを実践する組織体系、制度が整っていないと感じている。

すでに現場を退いた会社の40代、50代の上司の話を聞くと彼らが現役でバリバリやっていた頃はコンサルタントとエンジニアという敷居は存在せず必要なことならなんでもやったそうだ。 私はその話を上司から聞いた時、顧客が抱える問題をIT技術を使って解決するという、まさにITコンサルタント冥利に尽きると感じ、非常に羨ましかった。

しかし、昨今はというと… 就職の段階からコンサルタント職、エンジニア職と窓口が分けられている。 そして、そこには明確な役割の違いが存在し、仕事の内容が就職段階から分けられるのだ。 だが、募集要項を見ると内容はほとんど同じだったりする。

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システム知識なし、プログラミング経験なしでも募集可能、文系でも物づくりに関われる。

と、おおよそ上記のような感じである。 一体コンサルタントとエンジニアの違いのは何なのだろう。 私が思うに肩書だけで、少なくとも就職した段階では能力的な違いは全く存在しないと思う。

コンサルとタントとエンジニアの違いの内、最も問題なのが単価の違いである。 10年、20年とキャリアを積んだエンジニアよりも新人のコンサルタントの単価の方が高いなんてざらにある。 しかもその差が、100万、時には200万円なんて時もある。 では、キャリアを積んだエンジニアよりも新人コンサルタントの方が能力的に優秀で仕事ができるのだろうか…。 誰が考えてもあり得ないことである。 あり得てはいけないことが実際に起きてしまっているため、IT業界が未成熟であると言わざるを得ないのだ。

これは、単価が会社のブランド力で決まっており、会社の人材評価までは及んでいないことを如実に表している。 そしてコンサルティング会社はそこに付け入り、実力主義という名のもと、人材の使い捨て型の制度を施行しているのである。 単価が会社のブランド力で決まるのだから、人は育てるよりも、誰でもいいから雇い、辞めればまた補給すればよいという考え方になるのだ。

特に外資系のコンサルティング会社では顕著であるように思う。 はっきり言っておくが、外資コンサルティング会社を一概に批判するつもりはない。 外資コンサルティング会社の雰囲気、提供してくれる環境、自由さは日本の事業会社では享受できないものであり、私はそこで社会人として育った。 しかし、今の制度は、意思があるかないかに関わらず、ブランド力に支えられた上で成り立っているということを自覚してほしいのだ。

私はコンサルタント単価>エンジニア単価という風潮は、日本のIT業界をますますチープなものにしていくのではと危惧している。 なぜなら、エンジニアが育たないからだ。 エンジニアとして就職した優秀な人も、すぐにコンサルタントの方が給料が高いと気が付きすぐに異動、もしくは転職する。

「日本の技術力」という言葉を昨今聞くが、IT業界に関して言えば全く当てはまらない。 その証拠にIT業界では、すべての領域において欧米企業が独占している状態である。 OSでは、MicrosoftApple、ネットはGoogleSNSではFaceBook、法人向けパッケージソフトでは、SAP・Oracle…、日本企業などどこにも入っていない。 日本は、PCさえあれば誰でも金儲けができる領域で国際的には負け組なのだ。

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世界一わかりやすい IT業界のしくみとながれ

世界一わかりやすい IT業界のしくみとながれ

私は、コンサルタント単価>エンジニア単価という風潮は、日本のIT業界をますます悪循環に陥らせるものであると思う。 今後、この風潮が見直させる時が来るのだろうか。 私は、あと10年以内にはこの風潮が見直させる時が来ると信じている。